世の中の不稼働資産を活用して、すべての人が幸せになるビジネスを

実家の駐車場管理から日本全国の駐車場サブリース事業へ

日本駐車場開発のはじまりは1991年。代表取締役社長の巽が大学卒業後、実家の駐車場を管理することからスタートしました。清掃の行き届いた駐車場はいつも満車状態。あっという間に、近隣の駐車場オーナーから依頼が集中するようになりました。「これはビジネスとして成立する」。そう直感した巽は、実家の一部屋から日本駐車場開発を立ち上げたのです。1994年、東京へ進出。都心部にあるビル駐車場の仲介ビジネスをはじめ、業界初の駐車場サブリース事業をつくりあげてきました。駐車場サブリース事業を進める中でビルオーナー様のニーズを汲み取り、様々な付随サービスも生み出してきました。その結果、2003年2月に新興市場JASDAQに株式公開、翌2004年2月に東京証券取引所市場2部上場、続く2005年1月には同市場第1部上場(JASDAQ上場後史上最速で東証1部へ市場変更)を果たしました。また、近年はビルに入居するテナント企業様向けのサービスメニューも次々とスタートしています。 2016年に立ち上げた日本テーマパーク開発では、駐車場事業やスキー場事業等で培った経験やノウハウを活かし、前所有者様から事業承継した遊園地事業・別荘事業・宿泊事業にも取り組んでおります。特に、別荘事業と宿泊事業については、駐車場事業を応用・発展させ、新たなビジネスモデルの構築にも取り組んでいます。今後も駐車場やスキー場だけでなく、不稼働な資産を活用し、世の中のギャップを解消することで社会問題を解決していくビジネスを展開したいと考えています。

駐車場事業の取り組みについて

サブリースから資産活用会社へ
体力をつけて新しい事業に果敢にチャレンジ

岡本:日本の都心部では、一定規模以上の建築物には駐車場を設置することが義務付けられています。そのため、都心のビル内に駐車場がたくさんあるんです。ニーズがなくても設置しなければならないため、まったく使われていない駐車場もあります。一方で、目的地から遠く不便な駐車場を利用している方がたくさんいます。利用されていない駐車場があるのに、駐車場が見つからずに困っている人がいる。このミスマッチを解消するビジネスとしてはじめたのが駐車場のサブリース事業です。2000年当時は業界初のビジネスモデルでしたが、不動産の証券化やREITなどが少しずつ話題になりはじめた時代でもあり、瞬く間に成長しましたね。 現在は、国内だけ全国で1,200件の駐車場を運営しています。そのうち有人管理の駐車場は230物件です。230物件のほとんどはオーナー様からお借りして運営しているのですが、縁あってオーナー様から買わせていただき自己保有している物件が一部あります。ある物件では、土地はオーナー様の所有のまま建物だけ買わせていただいたのですが、そこにはオーナー様の相続税対策という今までと異なるニーズがありました。土地も建物も自分で所有しているより、自分の土地に他の人が所有する建物が建っていると不動産価値が下がるんです。目先の賃料収入の大小よりもご子息にとって何が一番いいかが重要でしたので、建物だけ購入させて頂く案を採用頂きました。それぞれの案件で手法は違っても、私たちの提案が採用されるということは、それがオーナー様のハッピーにつながるということです。そして、借りていた物件が自己保有に変わると解約がないので、安定した運営ができ、賃料も払わなくて良くなるので利益も数倍にもなるんです。
もちろん、今まで通りサブリースの新規開拓をメインに進めていきますが、会社も体力がついてきていますし、さらにエンジンをかけて伸ばすという意味でも、これからは自己保有の比率もあげていきたいなと思っています。より体力がつけば、更に新たな事業に果敢にチャレンジしていけますし、日本国内に膨大に存在する資産の活用にもつながることだと思っています。

岡本:私は2021年より、全国の駐車場事業を統括する営業本部長になりました。これまでは大阪・京都・神戸を統括する近畿本部(現在は西日本本部に統合)の本部長として、当社の発祥の地である大阪でどうやって事業を伸ばして行くのかという課題に取り組んできました。大阪は、駐車場サブリース事業で最初に物件を獲得したエリアでもあります。そのため、エリア内のターゲット物件はほとんど網羅している状態でした。すでに知り尽くした街で、その打ち手となったのが、駐車場管理に付随する新たなサービスの企画・開発です。数年前から、駐車場での洗車サービスをはじめたのですが、このサービスを企画したのは若手の営業担当でした。 わずかなスペースを活用した自転車の預りサービスをはじめたのも入社4年目の若手です。こんなふうに、若手社員が現場でニーズを拾い、新しいサービスを生み出す機会が増えれば、この先も売上を伸ばすことができるでしょう。そのために、彼らがやりがいをもって働ける場所をつくることが私の役割だと感じています。日本駐車場開発グループには、「世界100都市に展開し、100人の社長を輩出し、100年続く会社をつくります」といったビジョンがあります。若手社員がチャレンジできる環境をつくることは、その第一歩だと思っています。駐車場ビジネスを通して商売のセンスやビジネスパーソンとしてのスキルを磨き、いずれは自分で新規事業を生み出せるようになってもらいたいですね。もちろん、自分自身もそのひとりとして、切磋琢磨していきたいと思っています。

不動産事業の取り組みについて

別荘地としての魅力と不動産価値を向上させ
10年、20年後の“那須ブランド”の力をさらに高める

藤宮:藤和那須リゾート開発株式会社は、「不稼働資産の有効活用」という日本駐車場開発グループのビジネスモデルを元に、別荘地の活性化に取り組んでいます。当社が管理運営する「那須ハイランド」は、800万㎡(東京ドーム約170個分)・5,000区画から成る那須高原最大の別荘地です。新規別荘の販売、管理だけでなく、水道事業や別荘地の除雪など行政的な役割も担いながら、別荘のオーナー様に対してその時々の課題に対するソリューションを提供してきました。現在力を入れて取り組んでいるのは別荘地の再生、オーナー資産の維持向上です。1,500棟ある建物のうち半数以上がバブル期前後に建てられたもので、すでに築30年以上が経過しています。使用頻度が少なく、気候や環境の影響も受けやすい別荘は一般住宅よりも傷みやすいため、このまま10年後を迎えると別荘地全体の価値が著しく下がってしまうと考えられます。そこで今、オーナー様から中古別荘を買い取り、リノベーション物件や新たな別荘用地、新築物件として再び蘇らせることで、別荘地全体の新陳代謝をはかっています。それと並行して展開しているのがバケーションレンタル事業です。新築した別荘が新しいオーナー様と出会うまでの間、那須ハイランドパークに遊びに来たり観光にいらした方たちの宿泊施設として活用しながら投資を回収し、購入ご希望の方が現れたら売却する仕組みです。この仕組みで10年、20年後と別荘が増えてさらに活性化し、魅力ある別荘地として進化し続けることを目指しています。

藤宮:もう一つ力を入れているのが別荘の管理サービスです。別荘の管理は多くのオーナー様にとって悩みの種です。ゴールデンウィークやお盆などの限られた期間のご滞在となるため、いざ滞在するとなると掃除や備品の調達に時間を取られてなかなかくつろげなかったり、使わない期間に建物の傷みが進むといった問題もあります。そこでまず、オーナー様の不在期間に別のかたに活用いただくバケーションレンタルの仕組みをつくり、当社が清掃や備品の整備を担っています。人が入るほど別荘は長持ちしますので、管理コスト自体が軽減できる上に資産としての有効活用にもつながります。もちろん、バケーションレンタルを行わないオーナー様にも、修繕が必要な部分をいち早く発見してリフォームのご提案を行ったり、草刈り、落ち葉清掃なども行ったりして、別荘管理のご負担軽減を図っています。新たなサービスとしては、ティッシュペーパー等の消耗品のサブスクリプションを始めました。オーナー様の満足度向上を考えて始めたサービスですが、「このサブスクリプションがあるから別荘を那須ハイランドに決めた」との声もいただいています。こうした管理サービスを充実させることで、那須エリアの別荘としての魅力や不動産価値をさらに高めていきたいと思っています。また、那須の魅力向上の一環として、コミュニティの形成にも力を注いでいます。早期退職された方や高齢の方々など100名ほどが別荘地に定住されていますが、別荘地ではどうしても社会とのつながりが少なくなりがちです。そこで、当グループの事業の中で、それぞれの経験やスキルを生かしたお仕事を担っていただき、那須で新たな社会とのつながりを持っていただこうという試みです。これからもオーナーの皆様のお力をお借りしながら、那須ハイランドの別荘地、そして那須エリア全体を盛り上げていきたいと考えています。


※掲載情報は取材当時のものです。

PROFILE

日本駐車場開発株式会社
取締役 営業本部長
岡本 圭司

2003年、新卒採用を始めたばかりの日本駐車場開発に入社。 常に若手社員の先頭に立って新しい取り組みを推し進める リーダー的存在。2016年近畿本部長、2018年5月、東日本本部長を経て、2018年10月取締役東日本本部長に就任。 駐車場事業の更なる成長を幹部として引っ張る。

藤和那須リゾート株式会社
取締役 リゾート事業部長
藤宮 秀紀

大学在学中に都市開発によって街が活性化することに感銘を受けて不動産業界を志望。2016年に日本駐車場開発株式会社に入社。2018年2月に内部監査室を経て2020年5月に那須興業株式会社に入社。2021年9月に藤和那須リゾート株式会社に出向し、同年10月に同社取締役リゾート事業部長に就任。