ユーザーの望むエリアに駐車場をつくる。
逆転の発想でハッピートライアングルを実現
横濱:日本自動車サービス開発株式会社は、月極駐車場の運営管理、駐車場とセットでの自動車の貸し出しのほか、月極駐車場の検索サイト運営に力を入れています。駐車場業界はもともとアナログな世界です。そのため、「どこに駐車場があるか」、「今空いているのはどこか」などをデータベース化し、検索できる機能が求められていました。 2000年に自社物件の集客ツールとして検索サイト「日本駐車場検索(開設当時は「パ王」)」を立ち上げましたが、検索サイトという特性上、掲載している自社物件へのピンポイントな集客が期待しにくいという課題がありました。 そこで3年前から、デジタルを活用してより多くのお客様の声を集めることに注力し、日本一の駐車場ニーズを集める会社に、また、集まったお客様情報を分析し、駐車場の課題解決を日本一できる会社にするという目標を設定しました。それまでもアナログ営業では日本一の自負はありましたが、それにデジタルを掛け合わせることで更に成長を加速させようと決めました。具体的には、従来の自社物件の周りに集中して駐車場を開拓してゆく営業スタイルから、オンラインでのお客様からのお問合せが多いエリアに新しく駐車場を開拓するというデータドリブンな形にビジネスモデルを転換しました。これまで駐車場ニーズが多いと感じていたエリアであっても、データを分析すると実際にはそうではないケースもあり、逆も同様にニーズが少ないと感じていたエリアでも、実際には非常にお問合せが多いエリアもあります。毎月の問合せデータをもとにオーナー及び管理会社へアプローチすることで、駐車場で困っている方の課題を解決できるスピードも改善しました。 今後も継続して、駐車場の需給のギャップを分析し、本当に困っているお客様が多いエリアから優先的に駐車場を開拓していくことで、お客様の課題解決をしていきたいと考えています。需給の分析のため、そしてより多くのお客様により多くの情報を届けるため、現在は自社の物件の掲載に限らず、他社が管理されている物件も積極的にサイトに掲載しています。そうした取り組みにより日本駐車場検索の掲載件数は16,000件から58,000件(2023年4月現在)に増加し、お問合せ数も大きく伸びています。
横濱:日本駐車場開発グループは、オーナー、ユーザー、社会の三者がそれぞれしあわせになる「ハッピートライアングル」で社会問題の解決を目指しています。その一つとして、日本自動車サービス開発株式会社は今、車のサイズと駐車スペースのサイズのミスマッチの解消に取り組んでいます。近年、ミニバンや、SUVなどの大型車が人気ですが、今ある多くの駐車場は、自家用車が大型化する以前につくられたものが多く、販売されている車に対して小さすぎるという問題が発生しています。これは社会全体の問題であり、競合他社と大きな駐車場をどこが管理するかで奪い合えば済むような問題ではありません。ユーザーのニーズに沿った駐車スペースの供給を増やすためには、平面もしくは、大きなサイズの駐車場の開拓をしたり、今ある駐車場をリニューアルするといった根本的な課題解決が必要です。とはいえ、駐車場をリニューアルするとなると、多くのオーナーにとっては金銭的負担が問題になります。そこで私たちは、データから見えてくる需給ギャップの分析に基づき、オーナー個人宅の使われていないスペースを活用する提案をしたり、更にはサイズアップの投資を当社自らすることで駐車場のリニューアルを推進し、ミスマッチの解消を図っています。日本自動車サービス開発株式会社の役割は「駐車場」「車」に新しい価値をつくりだしてオーナー、ユーザー、社会に貢献することであり、その結果として会社に利益が還元されるものと考えています。商用から休日のレジャーまで、ユーザーが車を使うシチュエーションはさまざまです。車を使う生活の多様さに沿ったサービスを今後も充実させていきたいと考えています。