サブリースから資産活用会社へ
体力をつけて新しい事業に果敢にチャレンジ

岡本:日本の都心部では、一定規模以上の建築物には駐車場を設置することが義務付けられています。そのため、都心のビル内に駐車場がたくさんあるんです。ニーズがなくても設置しなければならないため、まったく使われていない駐車場もあります。一方で、目的地から遠く不便な駐車場を利用している方がたくさんいます。利用されていない駐車場があるのに、駐車場が見つからずに困っている人がいる。このミスマッチを解消するビジネスとしてはじめたのが駐車場のサブリース事業です。2000年当時は業界初のビジネスモデルでしたが、不動産の証券化やREITなどが少しずつ話題になりはじめた時代でもあり、瞬く間に成長しましたね。 現在は、国内だけ全国で1,200件の駐車場を運営しています。そのうち有人管理の駐車場は230物件です。230物件のほとんどはオーナー様からお借りして運営しているのですが、縁あってオーナー様から買わせていただき自己保有している物件が一部あります。ある物件では、土地はオーナー様の所有のまま建物だけ買わせていただいたのですが、そこにはオーナー様の相続税対策という今までと異なるニーズがありました。土地も建物も自分で所有しているより、自分の土地に他の人が所有する建物が建っていると不動産価値が下がるんです。目先の賃料収入の大小よりもご子息にとって何が一番いいかが重要でしたので、建物だけ購入させて頂く案を採用頂きました。それぞれの案件で手法は違っても、私たちの提案が採用されるということは、それがオーナー様のハッピーにつながるということです。そして、借りていた物件が自己保有に変わると解約がないので、安定した運営ができ、賃料も払わなくて良くなるので利益も数倍にもなるんです。
もちろん、今まで通りサブリースの新規開拓をメインに進めていきますが、会社も体力がついてきていますし、さらにエンジンをかけて伸ばすという意味でも、これからは自己保有の比率もあげていきたいなと思っています。より体力がつけば、更に新たな事業に果敢にチャレンジしていけますし、日本国内に膨大に存在する資産の活用にもつながることだと思っています。

岡本:私は2021年より、全国の駐車場事業を統括する営業本部長になりました。これまでは大阪・京都・神戸を統括する近畿本部(現在は西日本本部に統合)の本部長として、当社の発祥の地である大阪でどうやって事業を伸ばして行くのかという課題に取り組んできました。大阪は、駐車場サブリース事業で最初に物件を獲得したエリアでもあります。そのため、エリア内のターゲット物件はほとんど網羅している状態でした。すでに知り尽くした街で、その打ち手となったのが、駐車場管理に付随する新たなサービスの企画・開発です。数年前から、駐車場での洗車サービスをはじめたのですが、このサービスを企画したのは若手の営業担当でした。 わずかなスペースを活用した自転車の預りサービスをはじめたのも入社4年目の若手です。こんなふうに、若手社員が現場でニーズを拾い、新しいサービスを生み出す機会が増えれば、この先も売上を伸ばすことができるでしょう。そのために、彼らがやりがいをもって働ける場所をつくることが私の役割だと感じています。日本駐車場開発グループには、「世界100都市に展開し、100人の社長を輩出し、100年続く会社をつくります」といったビジョンがあります。若手社員がチャレンジできる環境をつくることは、その第一歩だと思っています。駐車場ビジネスを通して商売のセンスやビジネスパーソンとしてのスキルを磨き、いずれは自分で新規事業を生み出せるようになってもらいたいですね。もちろん、自分自身もそのひとりとして、切磋琢磨していきたいと思っています。