日本駐車場開発株式会社
SPECIAL TALK
SPECIAL TALK

グループを支える若き経営陣が語る
NPDイズムと求める人材。

30代、40代前半の若き経営陣による座談会です。
入社して今のポジションに至るまでどんな道を歩んできたのか、NPDで働くとどんな力を身につけることができるのか。
トップを歩んでいるメンバーが、過去のエピソードを交えながら、NPDの魅力や求める人材についてフランクに語り合います。

MEMBER

渥美 謙介
NPD 
常務取締役管理本部長
渥美 謙介
2007年に新卒で入社。オーストラリア生まれ、ニューヨーク育ち。大学1年生の頃、学部の仲間たちと起業、ビジネスの厳しさを経験。新卒でNPDに入社後、NCS(日本自動車サービス開発)代表取締役を経て、2018年常務取締役管理本部長に就任。
雪本 智史
藤和那須リゾート株式会社
パーク事業部長
雪本 智史
2003年に新卒で入社。2007年日本スキー場開発へ、 2010年(株)北志賀竜王(竜王スキーパーク)代表取締役社長に就任。 テーマパーク事業の立ち上げとともに、2016年日本テーマパーク開発代表取締役社長就任。2022年に藤和那須リゾート(株)パーク事業部長に就任。
岡本 圭司
日本駐車場開発
取締役営業本部長
岡本 圭司
「自分で道を切り開けるビジネスマンになりたい」とベンチャー企業に絞った就職活動でNPDに出会い、2003年に新卒入社。常に先頭に立って新しい取り組みを推進し、2016年に近畿本部長、2018年に取締役東日本本部長を経て、2021年に取締役営業本部長に就任。
鈴木 周平
日本スキー場開発株式会社
代表取締役社長
鈴木 周平
「経営者になるための修行の場」として選んだコンサルティング会社、ゴルフ場再生ファンドを経て、 2006年、NPDに中途入社。2007年に30歳で財務担当取締役に就任。その後、2012年に日本スキー場開発社長に就任し、2015年にマザーズ上場を達成。

4人全員が30?40代前半。
NPDを支え活躍する経営層の今。

ーー自己紹介と、現在の役職、担当している業務内容を教えてください。

渥美:
3年前から常務取締役管理本部長として、人事総務部、財務経理部、IT部を統括しています。NPDグループには20社以上の法人があるので、グループ会社のガバナンスや人事戦略、財務戦略を全て担っています。私のミッションは大きく言ってしまえば「ヒト・モノ・カネ・情報等の経営資源の調達」と「最適な配分」です。現在1,100名の社員と200億円以上の資産を預かる中で、今後どんな人に入社してもらい、どう資金を調達し、それをどの事業に配分したらグループ全体が成長するかを采配するのが具体的な仕事です。グループ各社の中核を占める人材において、新卒入社社員の割合が増えてきている中、新規採用は非常に大事なプロジェクトだと思っています。

岡本:
2018年に常勤の取締役になり、国内駐車場事業の営業統括をしています。札幌から福岡まで、全国11拠点の売上、利益を拡大することがミッションです。入社3ヶ月前にJASDAQ上場、1年目に東京証券取引所市場2部上場、2年目に同市場第1部に上場し、右肩上がりどころか会社が垂直に上がっていったので、現場に携わりながら会社の成長と自身の成長を感じることができました。現場主義という今も変わらない方針の下、駐車場を一つの会社と見立て経営できる点がNPDの魅力だと思っています。

雪本:
日本テーマパーク開発と、その運営会社の藤和那須リゾートの代表をしています。テーマパークを起点に地域の活性化を図るため、遊園地事業、別荘事業や宿泊事業をやっています。遊園地は少子化に伴い衰退する可能性も指摘されていますが、「三世代で一緒に過ごせる」、「愛犬と過ごせる」とターゲットを明確にし、新たな価値を提供しながら事業を大きくしていきたいと考えています。今運営しているのは二つのテーマパークですが、日本スキー場開発のように、私たちが関わることでポテンシャルを生かせるテーマパークや宿泊施設をグループ化し、地方を元気にしたいと思っています。

鈴木:
私は2006年に中途で入社しました。当時は20代でしたが、いきなりCFOという大役を仰せつかりました。現在は日本スキー場開発の社長として10年ほどになりますが、社長になった当時、スキー場は斜陽産業だと言われ、業界全体も地元も元気がない状態でした。そこに我々が一石を投じることで流れを反転させようと頑張ってきて、2015年にはスキーリゾートを運営する会社として国内で唯一の上場会社になりました。少子化や気候変動、新型コロナなど逆風と思われる状況の中で、スキー場という言葉に縛られず、雪の降らないグリーンシーズンも楽しめる設備への投資や施策を行い、通年でリゾートを展開をしています。20?30年先を見据えて投資をすることでイノベーションを図り、地域に貢献し、国内トップのスキーリゾートカンパニーになることを目指しています。

組織として未完成だったからこそ、
自ら考え、成長することができた。

ーー入社して1?3年目にどんな経験をされて今の立場に至っているのでしょうか。当時を振り返ってお聞かせください。

渥美:
私たちの時代には新人の育成制度が確立されていなかったので、異動やキャリア形成のスピードも、担当してきた業務も全員バラバラですよね。でも、道筋が決まっていなかったからこそ、これだけ成長できたのかもしれません。入社後配属された部署で初日に、「この部門なくなるから」と言われた衝撃は今も覚えています(笑)。それくらい激動の時代でした。とりあえず人事総務部に入ったものの、駐車場の現場を知らないと仕事ができないと言われて現場も担当しつつ、内部監査室、新規事業なども経験した最初の3年間でしたね。

岡本:
私と雪本は新卒同期なのですが、入社後すぐに都内一等地にオープンした時間貸し駐車場に配属されました。その現場には選りすぐりのアルバイトメンバーが集まっている中、私一人だけが車種もわからない素人で、責任者として一体何をしたらいいんだろうと考えました。アルバイトスタッフから教えてもらうだけではダメだと思い、休日も街中を走る車を意識的に見て覚えた記憶があります。

当時は月極事業と時間貸し事業が分かれていて、時間貸し事業は自ら駐車場にシフトインしてオペレーションしながら売上向上の販促、アルバイトスタッフの採用と育成、トラブル発生時の対応など、マルチで対応することが多く、社内に「時間貸し事業は大変」というイメージがありました。私はなんとか会社の中での時間貸し事業のポジションを変えたい思い、4?5年かけて、後輩社員はもちろんのこと、アルバイトのメンバーも社員登用しながら自分のチームを大きくしていきました。そのうち、「岡本のやっている時間貸しのチーム、活躍してるよね」と言われるようになり、社内でイケてる集団として見られるようになっていくのが楽しかったですね。

渥美:
私は岡本さんの4年後に入社したのですが、入社当時、先輩に「入社後1週間の座学があって、その後1ヶ月は仕事のフォローがあるなんて、すごく手厚い制度だな。俺らは入っていきなり現場だったぞ(笑)」と言われたことを覚えています。今はさらに手厚い制度になっていますが、その流れを作って下さったのが岡本さんかなと思っています。

岡本:
制度になったことで良い部分もありますが、組織が未完成で何もなかったからこそ、自分で考える力がついたのかもしれません。

渥美:
NPDではよく、「こういうのあるんですか?」と上司に聞くと、「なければ自分で作ればいいじゃない」って返されるんです(笑)。これって、悪いことではないですよね。

岡本:
僕が5年かけてやったことを、今は2年くらいでできる体制になっていると思います。ですが、制度や環境に甘えず、積極的に情報を取りにいったり、名前を覚えてもらうなど、自分で切り拓くことができる人は成長が早いと思いますね。上場して知名度が上がり、駐車場オーナーからの信頼も得たけど、それによって営業力がなくなってはいけないと思います。

渥美:
僕が入社した時にCFOをやっていたのが鈴木さんでしたが、人事評価制度を作ったのは鈴木さんなんですよね。

鈴木: 当時は制度がなかったため、一人ひとりの成績をきちんと見てみると、稼いでいる人の給与より中途入社で役職が下の人のほうが高いということが結構起きていたんですよ。ちょうど社員100人くらいのタイミングだったので、300人になるまでに評価制度を作っておかないとそれが原因で退職する人も出てくるのではないかと思い、取り掛かりました。僕は人事に関して素人でしたが、大量の専門書を買ってきて読み漁り、なんとか制度を作りました。

あれから15年くらい経ち、社員も1,000人になりました。これから入社してくる世代は、グローバルな視点など、彼らならではの特性を持っていると思います。僕たちの真似をするのではなく、自分たちの世代の強みを生かして新規事業を立ち上げたり、既存の事業を違うやり方でレベルアップさせるような意識をもった人が活躍できるのではないかと思います。

NPDで経験を積んだら、
どこでも活躍できる力が身につく。

ーーここに集まっているみなさんが入社した当時は、まだ会社として出来上がっていない部分があったからこそ自分達で作り上げる部分も多かったと思います。
今でも若手が新しいことをどんどん作っていける環境はありますか。

渥美:
会社の姿勢は変わっていないと思います。グループ全体を見ると、最近でも24歳の取締役がここ1年の間に2名出ていますし、今の1?3年目の社員の中にこれから抜擢されそうな若手が目立ってきています。

岡本:
階段を駆け上がっていく人材が増えた気はしますね。

渥美:
NPDグループの中で、駐車場の現場は一番生産性が高くて一番しんどいのですが、そこを駆け上がった人に新規事業のチャンスが回ってきます。「僕は新規事業をやりたいので、現場はやりたくないです」というタイプだと、生産性の高さという要件に応えることができないので、結果として上がっていけないんですよね。駐車場の現場で育った人がグループ会社に行って活躍するケースはよくあります。

鈴木:
僕は中途入社なのですが、最初にNPDの巽社長に会ったのはコンサルティング会社で働いていた23歳の時です。NPDはクライアントでしたが、成長に対する意欲、稼ぐという力強さ、そして取締役の方たちの個性的な魅力を見て、絶対に上場するだろうと直感しました。その後、NPDに入社して改めて感じたのは、自分で稼ぐ力を身につけたい人にはうってつけの会社だなと。巽社長自身が創業者ということもあり、スキルやマインドを身につけたら自分で会社を興してもいいよ、という風土があります。

渥美:
無理に引き止めたりはしないですよね。

鈴木:
むしろそれを喜びだと感じているところもあると思います。私がCFOをしていた時に、長期インターンをしてくれていた学生が、今ではForbesに載るほどの起業家になっていたり、当社を退職して事業を立ち上げ上場した人も出てきました。巽社長の根底には、日本を良くしていこうと考える若者を増やしたいという思いがあり、実際にそういう人たちがどんどん輩出されています。今後入社する人は、NPDで経験を積んで何年か経ったら、そのまま社内で活躍するのもいいし、独立してもいいんじゃないかな。

渥美:
NPDから三大コンサルファームに転職した人は、NPDにいたことによって商売の感度が研ぎ澄まされスピード感があるので重宝されている、という話も聞いたことがあります。ここでの経験は、それくらい力が付くのだと思います。

自責人材、人間力、タフさ。
NPDで活躍できるのはどんな人?

ーーNPDのそういった環境中で活躍できるのは、具体的にどんな人なのでしょうか。

鈴木:
常に問題意識を持って、絶対に満足しない人かも。スピード感を持って良くしていける人とも言えるかもしれません。「これがない、あれがない」と文句を言うのではなく、「ないなら作ろう」と提案する。そして、自分で実行までやれる人が、ポジションを上げて行く気がしますね。

渥美:
言い換えると、他責ではなく自責人材ということですよね。ですが、本当にそういう風に考えられる人は少ないですね。

岡本:
それにプラスして、お客さんも上司も部下も含め、360度巻き込めるような人間力のある人でしょうか。日々、そういったことを意識して過ごすことで、行動や発言にも現れ、「この人についていきたい」とか、「仕事を任せよう」と思われるようになると思います。そういう人たちが、多くの企業の経営を支える幹部になっているんじゃないかと思うんですよね。ですから、若手には人間力を磨いてほしいと思います。それって無意識では絶対にできません。自分も常に意識していますね。

渥美:
新卒は特に、好奇心旺盛で吸収力の高い人が伸びるんじゃないかな。逆に、自分の価値感に凝り固まっていると、成長の機会を逸すると思います。NPDの創業当時から脈々と引き継がれている現場力や営業力、マネジメント力は、言葉では伝えづらいものもあります。それを現場で吸収しよう、という人の方が成長の速度が早いと思います。

雪本:
新しい環境を楽しめるかどうかも重要ですね。新しい仕事をポンと与えられて、何をすればいいか分からない時にそれを楽しめるかどうか。

私は駐車場の責任者を担当した後、新規事業であるスキー場の営業担当になりました。当時は営業担当が自分1人だったので、スキー場の営業ってそもそも何をするのか分からない、というところから始まったんですよね。何もわからないけど、いろんな関係者から送られてくるFAXが毎日何十cmも積み上がっていて。普通に作業だけしていたら時間もまったく足りなくなるので、やるべき事、優先順位を明確にし、取捨選択しながら仕事に取り組みました。今やっている仕事が集客につながるのか、価値を出せているのかを考えましたね。新しい業務に戸惑うこともありましたが立ち止まっていてもしょうがないし、だったら新しい価値観でどんどんやって行こうと思ったんです。

鈴木:
雪本さんが竜王スキーパークの社長になった時の話も面白いですよね。

雪本:
学生時代からベンチャー志望で、NPDの役員の魅力に惹かれて入社したんですが、入社1?2ヶ月の時、新入社員全員、将来の展望を書いて社長に送る機会があったんです。その中で「29歳でグループ会社の役員になる」と書いたことを巽社長が覚えていて、竜王スキーパークがグループに加わるというタイミングで社長から、「29歳より1年遅くなったけど、社長に指名したからよろしくね」とメールが来たんですよ。当時そう書いたことを自分はすっかり忘れていたのですが、社長は覚えていたんですよね。新入社員当時の文書がメールに添付されていたのには驚きました! 同時に、当時送ったメールには夢ばかりを記載していたので、巽社長から厳しい返信があったのも思い出しましたが(笑)。

鈴木:
当時、雪本さんはスキー場の地元社員たちから「ゆっきー」と親しみを込めて呼ばれていたのですが、その人たちが「明日からなんて呼べばいいの? ゆっきーが社長なの?」と戸惑ってたのを覚えていますね(笑)。

雪本:
当時、スタッフが23人ぐらいいて、年下は2人ぐらいでしたからね。

岡本:
NPDでは、後輩が上のポジションになるのは普通ですよね。年上の部下をマネジメントしなければならないので、人間力が問われると思うんですよ。

渥美:
タフさは絶対に必要ですよね。

雪本:
若手からたまに「年上の人が言うことを聞いてくれないんですよ」って相談されることもありますが、経験も知識もないのにポジション的には上の立場になれば、聞いてくれなくて当たり前でしょと(笑)。そういった環境の中で自分の強みを把握し、足りない知識を身につけながらどうやって人を動かすのかを自ら学んでいくのだと思います。

渥美:
巽社長は「年功」序列は重んじますが、「年齢」序列は嫌いなんです。年齢ではなく、実力があって成果を出している人が上司であるべきでしょうと。雪本さんもそうだし、僕もみんな部下が年上でした。

半年後にできることは今やろう。
社内の新陳代謝の良さはNPDだからこそ。

ーーステージが経営層に変わった時に感じたことや、その時の戸惑いなどあったら教えてください。

岡本:
一等地の時間貸し駐車場を任せてもらった時、本部を任せてもらった時、近畿エリアを任せてもらった時など色々ありますが、すべてに共通しているのは、研修などの教育なんて存在しないことです。「そのポジションになってからやろう」というのがNPDなので(笑)。求められている成果や、お客様から見られる立場が数段上がる中で、その立場に追いつくためにもっと勉強しなきゃいけないと思いましたね。

渥美:
大手企業にあるような管理職研修はないけど、なった瞬間から責任が発生し「役員なのにそんなことも知らないの?」と1日目から言われるわけです。それが自分自身を作るというか、一気にモードが変わりますよね。「もう試合が始まっちゃった。まだルールも知らないけど」みたいな(笑)。

岡本:
例えば巽社長に「来期はうちの若手と中堅メンバーを、エリア長、支社長にしようと思っています」と言うと、「それなら今しなさい。来期まで待つことに何か意味があるの?」と言われるんですよね(笑)。

渥美:
「周囲の調整をしています」と言っても、「ポテンシャルがあるんでしょ? だったらなぜ今やらないの?」と返されて(笑)。

岡本:
メンバーを抜擢する時は、自分のポジションを明け渡さなきゃいけないので、自分がもっと上に行くか、上下を交換する必要があります。そんな時も気前よくやっていく必要があると思いますね。

鈴木:
それはあります。35歳ぐらいの時に、正直、もうNPDでやることがないと思った時期があります。当時、すでに東証一部に上場していて、CFOの立場だったので、ずっとここにいるのも一つの生き方かもしれないけれど、自分の成長という観点で考えたらどうなんだろうと。同時に、次の世代の重荷になりたくないという思いがありました。悩みの中で、ゴルフ場再生ファンドにいた時のことなどを思い出し、そうだ、スキー場をやりたいと思ったんです。思い立った次の日に「スキー場開発の社長をやらせてください」と手を挙げました。

ポジションを明け渡し、どんどん新陳代謝した方が会社は強くなると思いますね。新陳代謝の良さはすごく大事なカルチャーだと感じています。

岡本:
自分たちがそうやってチャンスをもらったからこそ、次の世代の機会作りのスピードは、上げていくべきだと思っていますね。

Person, Property, President
NPDの「P」が表すもの。

ーー役員のみなさんは、今後このグループをどんな風にしていきたいと考えていますか。

渥美:
この15年間で、売上規模は約6倍、社員数は約10倍になっています。駐車場に次ぐ新規事業の成功実績もできています。この成長率のままでいくと、15年後には社員1万人になり、売り上げは2,000億円ぐらい必要になります。ですが巽社長は「15年なんて何を眠たいこと言ってるの? 5年、10年でやろうよ」というタイプなので、ここからさらに成長を加速させていきたい、という思いが常にありますね。

中でも、駐車場、テーマパーク、スキー場の3つの事業は、10年単位でうちのグループの成長の柱になると想定していますが、次にどんな事業が出てくるかはわからないですね。

雪本:
新規事業はどんどんやっていくでしょうね。ですが、日本駐車場開発よりも成長率や利益率の悪い事業はやる必要がない、という株主の意見が当然出てきます。駐車場事業が成長し続ける限り、新規事業はそれ以上に成長し続けないといけないので、加速度的に成長させることができる事業かなと思います。

鈴木:
NPDの「P」って何だろう、という話もありましたね。

渥美:
最初はパーキング(Parking/駐車場)だけだったけど、今ではスキー場やテーマパーク事業があります。NPDはもう、パーキングだけではなく、パーソン(Person/人材)やプロパティ(Property/不稼働資産)を開発してるよね、と。さらに、今後はたくさんのプレジデント(President/経営者)を育てていきます。つまり、NPDの「P」は、Person, Property, President になっていると言えるんじゃないでしょうか。いろんなグループ会社が増え、すでに20社分の社長がいますしね。そして、その多くが30代、40代です。

ーーNPDには、オーナー、ユーザー、社会の3つが正三角形を描き、
関わるすべての人がハッピーになる「ハッピートライアングル」という理念があります。
みなさん自身の「ハッピートライアングル」の捉え方を教えてください。

渥美:
「ハッピートライアングル」という考え方は、利益が相反する3者の中で、もっともバランスが良いビジネスモデルが長期的に継続できる、という発想に基づいています。これから入社する人たちは、自分が所属する会社がどんな「ハッピートライアングル」を形成しているか、理解を深めるといいと思います。それが分かると、会社が何をしたいのかが見えてきます。

鈴木:
儲かればどんな事業でもやるわけではなく、事業によって社会が良くなることが一番大事だと思っています。そして、僕らはあくまでもベンチャーなので、誰もやりたがらないけれど社会のためになることを、今まで誰もやったことのない方法で取り組んでいきたいですね。 売り上げを上げ、事業を継続することで、社会に還元していく。この三つの条件に当てはまることが、新規事業の判断基準になっています。

「ハッピートライアングル」には、オーナーとユーザーだけでなく、「社会」が入ることが特徴です。駐車場なら「車社会」、スキー場やテーマパークなら「地域社会」と、それぞれの事業が向き合う社会の範囲は違いますが、ここに向き合ってブレない限り、その事業は大丈夫だと思っています。こういう関係が築けるところを見つけて事業化していく、というのが今後の新規事業開拓のヒントになるんじゃないかな。

ーー社会起業家の中には、社会貢献にはなるけれど儲からずに苦しんでいる人もいます。
どうやったら御社のように社会貢献と収益化を両立できるのでしょうか。

渥美:
どんな社会貢献も、継続しなければ意味がないですよね。そして、儲けなければ継続はできません。つまり、社会の役に立とうとするなら、儲かる状況にすることが必須なわけです。私はそんな風に考えていますね。

岡本:
「ニワトリが先かタマゴが先か」という話と同じかもしれません。社会貢献と収益化は、切っても切れない関係だと思います。社会貢献をしていない会社なんて存在しなくて、誰かの役に立っているからこそ会社として成り立っていると思います。

渥美:
NPDは、お客様との継続性をとても大事にしています。1回儲かったらさようなら、ではなく、満足して何度でも利用してもらうのが私たちのやり方です。言い換えれば、創業以来ずっとお客様との約束を守っているわけです。この、約束を守り続けることが、一つの社会貢献のあり方なのかなと思っています。

5年後、10年後の自分はどうなる?
巽社長ってどんな人?

ーー今後のご自身の展望をお聞かせください。

渥美:
僕が初めて巽社長に会った時、巽社長は37歳でした。そして私は今37歳です。巽社長は壮大なビジョンがあり、経営力が高く、社員には愛情深く、尊敬する経営者です。でも、出会った頃の社長と同じ年齢になった今、「この人はすごいな」ではダメだと思っています。巽社長だけでなく、NPDグループの中で高いポジションにいる人を追い抜かなければ。ただ、恐ろしいことに、今でも巽社長自身の成長率がNPDで一番高いかもしれない(笑)。どうやって自分がそれ以上の経営者になるか、勝負どころだと思っています。

岡本:
私は5年後、10年後にどうなっていたい、という風には考えてないですね。これまでもそうでした。求められたことを実現してきたという感覚です。そのスタンスは今後も変わらないと思います。毎日、毎年、着実にやっていれば、しっかりとした未来があるんじゃないかな。一つ言うとすれば、近い将来、自分のポジションを自分が育ててきた部下に譲りたいですね。

雪本:
入社した時には全く想像していなかった自分がここにいるので、将来の想像はつかないですね。それがNPDの強みであり、楽しみなところだと考えています。もう一つ、岡本さんと同じで、テーマパーク事業の次の社長を誰にするかが直近の関心ごとです。自分より優秀な人を育てるのか、採用するのか。さらに事業を加速させるような人を巻き込みたいと思っています。きっと5年後の自分は、テーマパークではない事業をやっている気がします。

鈴木:
日本スキー場開発を圧倒的に日本一のスキーリゾートにすることが、僕の仕事だと思っています。あと、スキー場の従業員はお正月に休めないのですが、グリーンシーズンをさらに活性化することで通年で利用されるリゾートにし、2年に1回はお正月に休んでもらえる会社にしたいと思っています。

どんな時もその時々に立てたゴールに向かって、マイルストーンまで可及的速やかに持っていきたいですし、目の前のことに全力で取り組んでいくつもりです。

ーー今回の座談会で、巽社長の話が頻繁に出てきましたが、巽社長は一体どんな方なのでしょうか。
経営層のみなさまの視点で教えてください。

渥美:
23歳で起業したので、ある意味一番、新卒の可能性を信じられる人だと思います。若くても、会社員の経験がなくても、才覚があれば儲けることができると。そして、非常に商売感覚が高い人だと思っています。

鈴木:
圧倒的に前向きですよね。人をモチベートするのがすごくうまくて、無茶なことを言われているはずなのに、いつの間にかやる気になってしまうんです。

岡本:
自分が行き詰まってるときに社長と話をすると、「あれ、なんかいけそうだな」と自然に思えるんです。経営者感覚とか、商売人感覚というのでしょうか。他の人が大回りするようなところを、ゴールまで一直線に到達するようなところがあります。言葉に魅力と魔力があって、従業員だけでなくお客さんからも、「こんなパワフルな人は見たことがありません」とよく言われていますね。

鈴木:
近い存在すぎて、そのパワフルさが普通になっちゃいましたが、確かにそうですよね。初めて出会った時に、ものすごい衝撃を受けたのを覚えています。

雪本:
常にゼロベースで物事を考えられる人で、固定概念に捉われない人でもありますね。

渥美:
震災やコロナの際に、それを強く感じました。これまでの勝ちパターンにしがみつくことなく、新たな発想で考える人であることは間違いないです。NPDグループの躍進を評価されるような時も、巽社長は「いえいえ、もっとすごい会社がありますから」と言うんです。おそらく、他の経営者が自分よりもっと成長していることが、本気で悔しいんだと思います。日本を代表する企業にしたいという気持ちや、日本を良くしたいという気持ちも強いと思います。

鈴木:
少年漫画の主人公みたいな存在ですよね(笑)。

やる気さえあれば
いくらでも成長できる環境が待っている。

ーー最後に就職活動中の学生さんへのメッセージをお願いします。

雪本:
NPDという会社は、自ら突き進んでいく意思があれば、成長できる環境がいくらでもあります。そういう人たちが入ってきたら、この会社はさらに面白くなっていくと思っています。

鈴木:
未来が混沌としている日本で、1人のビジネスマン、1人の商売人として自力で生き抜く力を身につけたい人にとってはぴったりな会社だと思います。誰かと同じだから安心と言う考えは捨て、冷静に日本企業が今後どうなるのかを分析し、やるべきことにフォーカスし、努力してほしいと思います。

岡本:
僕がNPDに入社した時はまだ上場しておらず、駐車場事業も認知されていなかったので、周囲の人には「そこに入るのはやめた方がいい」と言われました。それでも入社したのは、社長と当時の役員の話を聞き、「この人たちと一緒に働いたら、俺は成長できる」と本気で思ったからです。そして、その時の自分の直感は間違ってなかったと思っています。誰かに言われたことや世間的な評価ではなく、自分の軸を大事にしてください。

渥美:
さまざまなベンチャー企業がありますが、NPDの財務や成長の軌跡を見てもらうと、この会社がいかに伸び続けているかがわかると思います。就職活動中の学生さんにはぜひ、IR情報など、具体的な実績や数字も見ていただきたいと思います。