市政に携わって痛感した
官民連携の重要性
私が地域創生に関心をもったのは、大学生の頃、地元の徳島へ帰省したときの体験がきっかけです。同窓会で集まった記念にプリクラを撮ろうとしたのですが、中心地にあったゲームセンターがなくなっていたんです。想像以上に街が寂しくなっていることに居ても立ってもいられず、その頃まだ珍しかった、学生による地域活性化コンテストをやろうと思い立ちました。中小企業の経営者、NPO、大学の先生など、地域の大人たちをメンターに、学生たちが社会課題の解決を考えて実装していくものです。企画から協賛募集、イベント運営まで一手に引き受けてやり切りました。もっと本腰を入れて地域のことに取り組もうと考え、大学卒業後は徳島に戻り、家業の経営を手伝ったり子育てをしつつ、徳島市や県の審議会に委員として参画しました。しかし、審議会でどんなに発言しても、行政に反映されたという手応えが得られませんでした。本当に街を変えるには、審議会では限界があるのでは?と考え、徳島市長選に出馬。2020年、史上最年少の女性市長(当時)になりました。市長時代、何よりも重視したのが「まちの持続可能性」です。経済が活性化し、人の流れが途切れない街を目指し、さまざまな事業を適正化しました。また、女性や若者に意思決定の場に入ってもらうことで、これまで市政に反映されにくかった多様な人たちがプライドを持って自分の力を発揮することを目指しました。一方、地域が直面する社会課題は年々複雑化しています。もう自治体だけで扱えるものではない、との思いから官民連携協定をはじめとして民間との連携を進めました。市長の任期満了を迎え、今後はこうした経験をもっと他の地域にも活かしていきたいと考え、日本テーマパーク開発への入社を決めました。