日本駐車場開発株式会社

親として、教育のプロとして。
子どもたちの「異文化を愛する力」を育む。

TCK Workshop
取締役ファウンダー 水田 早枝子 5歳から10歳までニューヨークで過ごす。日本とアメリカの文化の違いに戸惑うことも多かったという自身の経験から、帰国子女・海外子女の支援をしたいとTCK Workshopを設立。「全ての海外経験を財産に。」というミッションのもと、国内外300人以上の生徒の指導に当たっている。2020年に第1子を出産。

海外経験を人生の財産にしてほしい。
ファウンダーとしての挑戦。

TCK Workshopは、帰国子女・海外子女の子どもたちの成長と学習を支援する、オンラインの家庭教師サービスです。教えているのは、高校生までの子どもたち。小さい子ですと7歳のお子さんもいます。毎日、世界が夕方になる順番で授業をするんです。こちらの早朝が、ちょうどアメリカ東海岸の夕方にあたるので、その地域に住んでいる子どもたちの授業からはじまり、西海岸、アジアと続いて、日本が深夜になる頃、ヨーロッパの子どもたちが学校から帰宅してきます。社員みんなで、1日中ずっと「おかえり」と迎えてあげている感じですね。日本で生まれて、ご家族の仕事の都合などで海外に移り住むことになると、言葉はもちろん、文化の違いでも戸惑いを覚えてしまいます。そこで、海外で育った子どもたちが抱え込みがちな独特な悩みに寄り添い、勉強で自信をつけてそれを乗り越えていくお手伝いをすることが、私たちの仕事です。TCK Workshopで働く社員たちは、皆それぞれに国際経験が豊かな人ばかり。だからこそ、ただ単に勉強を教えてあげるだけではなく、他の人では共感できないような悩みに親身になって応えることもできます。子どもたちが自分では短所に感じてしまうパーソナリティも、個性であり長所なのだと伝えることで、自分自身を肯定できるようになってほしい。そんな想いで仕事をしています。日本では現在、1年間に約1万人もの帰国子女が生まれています。しかし、その子どもたちをサポートするだけの教育体制が整っているかといえば、現状はなかなか難しいものがあります。海外で生活する子どもたちにも、日本に帰ってきた子どもたちに対しても、単に学習を支援するだけでなく「異なる文化を理解し、愛していく力」を身につけて欲しい。そんな想いからTCKWorkshopを立ち上げたのが2014年のこと。そこから7年間、ファウンダーとして、代表取締役として、充実した日々を過ごしてきました。

「水田にとって何が大事なんだろう」。
その一言で、気持ちが切り替わった。

そんなある日、子どもを授かりました。すぐに身近なメンバーには伝え、産休に向けた準備を進めていきました。代表取締役としての仕事の引き継ぎ、お客様である生徒さんや学校の引き継ぎを経て、産休に入りました。仕事からは完全に離れ、赤ちゃんと水入らずの時間を過ごすことができたのは、留守の間をしっかり守ってくれた仲間のおかげです。子どもはゼロ歳児で保育園に入園。園で一番小さな「末っ子」として可愛がっていただきました。初めての子育てで不安もある中、保育士さんに子どもの成長を一緒に喜びながら見守ってもらえたので、安心して仕事に向き合えました。職場復帰は順調だったのですが、しばらくして体調を崩してしまったんです。代表取締役の職責を果たせていないふがいなさを痛感し、仕事をしたいのに心身がついていかない状況を社内に相談しました。そこでかけられたのが「水田にとって何が大事なんだろう」という言葉。みんなの思いを受け、「どんな形ならば無茶をせずに会社に貢献できるだろう」と気持ちが切り替わりました。そうして出た結論は、「重荷になっている役割は外し、自分にしかできない仕事に集中する」。代表取締役から降り、スタッフトレーニングや社内コミュニケーション、そして家庭教師としての仕事に絞ることにしました。私の復帰を待っていてくれた生徒さんとの約束はどうしても守りたかったんです。NPDでは、現状を踏まえ、事業に貢献する方策を考え抜くことが求められます。だからこそ「今はこういう時期なのでこういう形をとりたい」と言えるし、それを聞いてもらえる土壌があります。ライフイベントの多い女性にとって、社会に必要とされ貢献できる自分を手放さずに済む良い環境と言えるのではないでしょうか。親になった今、改めて大切なお子様を託してくださるお客様の思いを自分ごととして感じられるようになりました。時間の制約もありますが、これまで以上に自分のミッションに焦点を絞って活動することができています。帰国子女たちが自らの経験を財産として活躍する社会を思い描き、ベンチャー企業だからこそ貢献できることに挑戦し続けていきたいですね。


※掲載情報は取材当時のものです。